2026年3月31日、Claude Codeのソースコード(約51万行のTypeScript)がnpmに誤って公開されるという事態が発生しました。その後、この流出騒動を悪用したサイバー攻撃がGitHub上で展開されており、Claude Codeユーザーを標的にしたマルウェア配布が確認されています。本記事では事態の経緯・自分への影響・具体的な対策を解説します。
問題の症状
事件の概要:
[事態の経緯]
2026-03-31: Claude CodeのTypeScriptソースコード
(約51万行)がnpmパッケージに
誤って同梱・公開される
↓
2026-04-01: 流出騒動に便乗したGitHub上の
マルウェア配布が開始される
↓
2026-04-02: Anthropicが流出を認め、
該当バージョンを削除・修正版を公開
攻撃の手口:
攻撃者はClaudeの「流出ソースコード」を装った以下のGitHubリポジトリを作成し、ユーザーを誘導しました:
偽装リポジトリ例(実際には確認済みの悪意あるリポジトリ): - github.com/[攻撃者]/claude-code-leaked-source - github.com/[攻撃者]/anthropic-claude-full-source - README.mdに「流出したClaudeのソースコード」と記載
これらのリポジトリをクローン・実行すると情報窃取マルウェアが動作し、以下の情報が漏洩するリスクがあります:
- システム上のAPIキー・トークン
- .envファイルの内容
- SSH鍵
- ブラウザに保存された認証情報
原因の解説
ソースコードが流出した経緯
Anthropicによると、npmパッケージのビルドパイプラインにミスがあり、本来含めるべきでなかったTypeScriptソースファイルがパッケージに同梱されてしまいました。これは意図的な情報公開ではなく、パッケージング工程での設定ミスによるものです。
流出したもの: - Claude CodeのTypeScriptソースコード(約51万行) - ただし、APIキー・ユーザーデータ・学習データは含まれていない
流出していないもの: - Claudeモデルの重み・パラメータ - ユーザーの会話データ - APIキーやシークレット
流出を悪用した攻撃の仕組み
1. 攻撃者が流出ソースを基に「偽公式ツール」を作成 2. GitHubに偽リポジトリを公開 3. X(Twitter)・Reddit・Discordで宣伝 4. ユーザーが「公式の詳細コード」と誤解してインストール 5. マルウェアが実行されAPIキー等を外部送信
解決策:被害を防ぐセキュリティ対策
対策1:Claude Codeを公式チャンネルのみからインストール・更新する
# 公式のインストール方法(npm経由) npm install -g @anthropic-ai/claude-code # バージョン確認(最新版か確認) claude --version # GitHubの公式リポジトリ確認 # https://github.com/anthropics/claude-code のみが公式
注意: GitHub上の非公式リポジトリから「流出コード」「詳細版」「拡張版」などをインストールしないでください。
対策2:インストール済みパッケージのハッシュ確認
# インストール済みClaude Codeのチェックサム確認(npmを通じた確認) npm info @anthropic-ai/claude-code # ローカルインストールのハッシュ確認 npm ls -g @anthropic-ai/claude-code
対策3:APIキーを直ちにローテーションする
3月31日〜4月2日の間に非公式のClaude関連ツールをインストールした場合、APIキーが漏洩した可能性があります:
APIキーのローテーション手順: 1. console.anthropic.com にログイン 2. 設定 → API Keys → 該当キーを「Revoke」 3. 新しいAPIキーを発行 4. 環境変数・.envファイルを更新
対策4:.envファイルと認証情報の保護
# .envファイルがGitに含まれていないか確認 cat .gitignore | grep .env # .gitignoreに追加(なければ) echo ".env" >> .gitignore echo ".env.local" >> .gitignore echo ".env.*.local" >> .gitignore # 過去のコミットに.envが含まれていないか確認 git log --all --full-history -- "**/.env"
# シークレットスキャンツールで漏洩チェック npx trufflesecurity/trufflehog git file://. --only-verified
対策5:不審なプロセス・ネットワーク接続を確認する
# 不審なプロセスを確認(macOS/Linux) ps aux | grep -v grep | grep -E "(node|python|bash)" | head -20 # 不審なネットワーク接続を確認 netstat -an | grep ESTABLISHED | grep -v "127.0.0.1" # Windowsの場合 netstat -ano | findstr ESTABLISHED
補足・注意点
Anthropicの対応
Anthropicは以下の対応を実施しました: 1. 流出バージョンのnpmからの削除 2. 修正版(ソースコードを含まないビルド)の公開 3. 公式ブログ・Xで謝罪と経緯説明 4. ビルドパイプラインの改修
今回の教訓
- AIツールも通常のセキュリティ原則が適用される:「AIツールだから信頼できる」ではなく、通常のソフトウェアと同様にインストール元を確認する
- ソーシャルメディアの「流出コード」は疑う:本物の流出であっても、それを悪用した偽装コードが即座に登場するため
- APIキーは定期的にローテーションする:漏洩したかどうかに関わらず、3〜6ヶ月ごとのローテーションを習慣化する
参考:正規のAnthropic関連リポジトリ
公式GitHubリポジトリ(確認済み): https://github.com/anthropics/ ← 組織アカウント https://github.com/anthropics/anthropic-sdk-python https://github.com/anthropics/anthropic-sdk-js