Claude に資料を読ませようとしてアップロードに失敗する、Projects がぐるぐる回ったまま開かない、入れたはずのファイルを読んでくれない。仕事で使い込むほど、こういう小さな詰まりに当たる。原因はだいたい決まっていて、仕様の制限・ファイル側の問題・Claude 側の一時的な不調のどれかに切り分けられる。順に潰していけば、たいていはその場で直せる。よくある詰まりを、原因別に整理する。
(この記事は2026年6月に最新の仕様へ更新した。)
- まず仕様を疑う、30MB・20ファイル・PDF100ページの壁
- アップロードが失敗する典型と、その場の対処
- Projectsが開かない・指示を無視する時
- 日本語ファイルが文字化けする時の直し方
- 何を上げて、何を上げないかの線引き
- ChatGPT・Geminiと比べて、どう使い分けるか
まず仕様を疑う、30MB・20ファイル・PDF100ページの壁
トラブルの半分は、そもそも制限に引っかかっているだけ。先に上限を押さえておくと、無駄に悩まずに済む。
チャット画面での基本の上限は、1ファイルあたり 30MB、1つの会話につき最大 20 ファイル。対応形式は PDF・DOCX・TXT・CSV・JSON・HTML・RTF・ODT・EPUB と、画像なら JPEG・PNG・GIF・WebP あたり。ここで見落とされやすいのが PDF の扱いで、100 ページ未満なら図やグラフといった見た目の要素も読むけれど、ページ数が増えるとテキスト中心の処理になる。図表が肝心な資料を丸ごと投げて「グラフを読んでくれない」となるのは、たいていこれが原因。
注意したいのは、これらの数字は固定ではないこと。プランや時期で変わるので、うまくいかない時は公式のヘルプで現在値を確かめるのが確実。もしチャットの上限が窮屈なら、開発者向けの Files API は 1 ファイル 500MB まで扱えるので、大きいファイルを常用するならそちらに寄せる手もある。
アップロードが失敗する典型と、その場の対処
仕様の範囲内なのに失敗する場合、出方でだいたい原因が読める。
「Upload failed due to a network issue」のようなネットワーク系のエラーなら、まず通信を疑う。社内プロキシや VPN、広告ブロック系の拡張機能が、アップロードの通信を弾いていることがある。別の回線やシークレットウィンドウで試して切り分けるのが早い。
厄介なのが、エラーも出ずに静かに失敗するケース。ファイルを入れたのに Claude が中身に触れない、という状態。これは、形式は対応していても中身が壊れている(途中で切れた PDF、保護のかかった文書)か、容量がぎりぎりで処理しきれていないことが多い。いちど別アプリで開き直して保存し直す、PDF なら印刷機能から作り直す、で直ることがある。30MB を超えているなら、分割するか圧縮する。画像中心の重い PDF は、解像度を落とすだけで大きく軽くなる。
Projectsが開かない・指示を無視する時
Projects(複数の会話で同じファイル群と指示を使い回せる機能)まわりの詰まりも、出方が決まっている。
開こうとして無限に読み込みが回る時は、ブラウザ側の問題が多い。キャッシュのクリア、別ブラウザ、拡張機能を切る、で改善することがほとんど。Claude 側の一時的な不調なら、しばらく置いて戻ると直る。
もっと多いのが、カスタム指示(プロジェクトに与えた共通の指示)を無視しているように見えるケース。これは無視ではなく、指示が長すぎる・抽象的すぎて埋もれている可能性が高い。「丁寧に書いて」のような曖昧な指示より、「箇条書きを使わず、結論を先に書く」のように具体的に絞ったほうが効く。それと、ナレッジ(プロジェクトに入れた参照ファイル)を読まない時は、ファイルが大きすぎて全部は参照しきれていないか、質問とファイルの関連を Claude が掴めていないことが多い。「アップロードした〇〇.pdf の3章を見て」のように、どのファイルのどこを見るかを明示すると、ぐっと当たりやすくなる。
日本語ファイルが文字化けする時の直し方
地味だけど日本語ユーザーを悩ませるのが、文字化け。CSV や TXT を上げたら、中身が記号の羅列になる、というやつ。
原因はほぼ文字コード。Windows で作ったファイルは Shift_JIS のことがあり、Claude は UTF-8 を前提に読むのでズレる。直し方は、ファイルを UTF-8 で保存し直すだけ。メモ帳でも「名前を付けて保存」で文字コードを UTF-8 に変えられるし、VSCode なら右下の表示から切り替えられる。大量にあるなら PowerShell でまとめて変換してもいい。ファイル名も、日本語や記号が混ざると不安定になることがあるので、英数字に寄せておくと無難。
何を上げて、何を上げないかの線引き
トラブルを減らすいちばんの近道は、そもそも詰まりにくい渡し方をすること。ここは仕様の制限を踏まえた工夫の話。
巨大な PDF を 1 つ丸投げするより、必要な章だけ切り出して渡すほうが、速いし精度も上がる。表形式のデータは、見た目を整えた PDF より、素の CSV のほうが Claude は正確に読む。Projects に入れる参照ファイルも、あれもこれもと詰め込むと、かえって関連の薄い情報に引きずられる。「この用途に本当に要るファイルだけ」に絞るのが、結局いちばん効く。個人的に見ていていちばんもったいないと感じるのは、上限ぎりぎりまで詰め込んで精度を落としているケース。Claude は渡したものの中から答えを探すので、ノイズを減らすほど賢くなる。
機密情報の扱いも頭の隅に置いておきたい。業務資料を上げる時は、その情報を外部サービスに渡していいのか、社内のルールを先に確認する。便利さに任せて何でも上げる前に、ここは一度立ち止まる価値がある。
ChatGPT・Geminiと比べて、どう使い分けるか
ファイルの扱いだけ見ると、Claude の 30MB という上限は、他社と比べて小さめ。容量だけなら ChatGPT や Gemini のほうが大きいファイルを飲み込める。だから「巨大なファイルをとにかく投げたい」なら、Claude が最適とは限らない。
ただ、容量の大小だけで選ぶ話でもないと思っている。Claude は、渡した文書の文脈を踏まえて長い文章を書いたり、コードを一貫した構造で読み解いたりする方向に強い。大きなデータを雑に飲ませる用途は他社、要点を絞った資料を深く読ませて質の高い出力を得る用途は Claude、という使い分けが現実的。容量の数字に振り回されず、自分がやりたいことの軸で選ぶのがいい。
ファイルが上がらない時は、慌てて何度も再アップロードする前に、まず「仕様の制限か、ファイルの問題か、Claude 側の不調か」を切り分けてみてほしい。たいていの詰まりは、この切り分けだけで原因の見当がつく。それでも直らない一時的な不調は、時間を置くのがいちばん確実だったりする。便利な道具ほど、詰まった時に落ち着いて原因を当てられるかどうかで、使い心地が変わってくる。