「Google Antigravityって結局無料で使えるの?」と聞かれることが、最近また増えてきました。
2025年11月のリリース時は「無料で1日250リクエスト」と大盤振る舞いだった同サービス。それが半年も経たないうちに、無料枠は削られ、Creditsという従量課金まで導入されています。Xでも「無料って言ってたのに使えなくなった」という声をちらほら見かける状況。
本記事では、2026年5月時点でのAntigravity料金体系をいったん整理し直し、IT業界20年・現役マネージャー視点で「どのプランが誰に向いているか」「Cursor やClaude Codeとどう使い分けるか」までを実用的にまとめます。
※本記事は2026年5月にリライトしました。Creditsシステム導入(2026年3月)を含む、最新の料金構造に対応しています。
- Antigravityの料金、ここ半年で何が変わったか
- いまの料金体系をシンプルに整理する
- 結局、自分にはどれが向いているのか
- 無料枠を限界まで使い倒すコツ
- Antigravityを選ぶべきか、Cursor / Claude Codeにすべきか
Antigravityの料金、ここ半年で何が変わったか
時系列で押さえておくと、混乱が消えます。
2025年11月、Googleが「Antigravity」を発表。エージェントが自律的にコードを書き、ターミナルで実行し、ブラウザで確認まで行うAI開発プラットフォームとして、強烈な印象を残しました。リリース時の無料枠は1日250リクエスト。「Cursor超え」「Claude Code食い」と言われるほどの太っ腹ぶり。
2025年12月、需要が想定を超えたのか、無料枠が大幅に縮小。報道ベースで1日20リクエスト程度まで削られた、つまり当初の92%減。同時にPro / Ultra subscribersには「5時間ごとのクォータリセット」と「優先アクセス」を提供する形で、有料層への誘導が明確になります。
2026年3月、決定的な変更。「AI Credits」という従量課金システムが導入されました。プランの月次/週次クォータを使い切ったあと、追加でCreditsを購入すれば作業を継続できる仕組み。$0.01/credit、$25で2,500credits、$199で20,000creditsという価格体系。
つまりここまで来ると、Antigravityは「無料で使えるツール」というより「無料枠もある従量課金型ツール」として捉え直す必要があります。Googleは「現在の無料枠は長期的なモデルを示すものではない」と公式に言及しているので、今後さらに変化する可能性も視野に入れておきたいところ。
いまの料金体系をシンプルに整理する
ここからは2026年5月時点の事実関係です。あちこちのサイトで情報がバラバラなので、いったん整理します。
無料プラン(Individual / Free Tier) クレジットカード不要で誰でも使えます。Gemini 3 Pro、Claude Sonnet 4.5、GPT-OSSなど主要モデルにアクセス可。タブ補完は無制限。ただし、エージェントリクエストには厳しいレート制限がかかり、約5時間ごとのリセット+週次上限という二重制約。週末や夜にまとめて使う人向け。
Google AI Pro($20/月) Antigravityの優先アクセス、5時間ごとに大きなクォータがリセット。プラン契約に加えて毎月一定数のCreditsが付属(具体的な数字は非公開)。日々の業務で使う個人エンジニアならここが現実的な落としどころ。
Google AI Ultra($249.99/月) 最高クラスのレート制限と、最大量の組み込みCredits。「最も複雑なモデルへの大量アクセス」をうたう。月$250はAIコーディングツールとして最高峰の価格帯です。
AI Credits(従量課金) $25で2,500credits、$199で20,000credits。プランのクォータを使い切った後の追加分として機能します。「AI Credit Overages: Always」をオンにしておけば、待ち時間ゼロで継続利用が可能。
正直に書いておくと、Credits 1単位がトークン何個分なのかGoogleは公開していないので、コスト試算は現状けっこう難しい。これは公式が情報を出すまで様子見するしかない部分です。
結局、自分にはどれが向いているのか
20年エンジニアやってきた感覚で、利用シーン別に整理します。
学習・週末開発・個人プロジェクト → 無料プランで様子見
休日にまとめて触る程度なら、無料枠で十分試せます。「指示の精度を高めて、無駄なエージェント思考を減らす」運用さえできれば、週末開発くらいなら回せる。クレカ登録もないので、まず触ってみる。これが一番安全。
業務で毎日使う個人エンジニア → Pro $20/月
業務で日常的に使うなら、ここしか選択肢がありません。週半ばで「今週分終了」と通知が来たら仕事になりません。$20は他のAIコーディングツール(Claude Code Pro、Cursor Pro)と同水準なので、価格的にも妥当ライン。
チーム導入・本格運用 → Ultraは慎重に判断
正直、$249.99/月は高い。Claude Pro($20)、Cursor Pro($20)、GitHub Copilot($10)の3つを契約しても合計$50で、$200近く余る計算になります。Ultraで得られる「最高クォータ」が本当に必要かは、まず1か月Proで使ってみて、レート制限にどれだけぶつかるかを実測してから判断するのが現実的。
部下を抱えるマネージャー視点で言うと、いきなりチーム全員にUltraを配るのは投資対効果が読めなさすぎます。まずは1〜2人がPro版で試して、運用パターンが見えてからスケールするのが筋。
スポット利用・たまの大型タスク → Pro + Credits併用
普段はProで足りるが、大規模なリファクタリングや新規プロジェクト立ち上げで一気に使う、という人にはCreditsの併用が向きます。月の固定費を抑えつつ、必要なときだけ追加投入する形。クラウド従量課金と同じ発想。
無料枠を限界まで使い倒すコツ
無料プランで頑張る人向け、現場で効きそうなコツを3つ。
エージェントの「思考」を節約する指示の出し方
Antigravityのエージェントは、裏側で「どう進めるか」を考えるためにリクエストを消費しています。雑な指示を投げると、エージェントが延々と悩んで枠が一気に減る。
対策は、最初のプロンプトで前提条件を全部渡すこと。「Next.js + TypeScript + Tailwind CSSで管理画面を作って」のように、技術スタックと要件を明確に書く。「いい感じに」「適当に」は禁句。プロンプトを書く5分が、エージェントの試行錯誤30分を節約します。
これ、20年エンジニアやってきて思うのは、AIへの指示と部下への指示は構造がそっくりです。「ふわっと頼む」と「具体的に頼む」で成果物の質が決定的に変わるところまで含めて。
週の前半は人間で設計、後半でエージェントに実装させる
無料プランの週次クォータを最大化するには、ペース配分が鍵。週の前半(月-水)は人間が要件定義、設計、技術選定、データモデルの整理を進める。手書きのメモやNotionで構造を固めておく。
週の後半(木-金)に、固まった設計をAntigravityに渡して一気に実装させる。これだと、エージェントが「何を作るか」で悩むコストがほぼゼロになり、純粋に「どう作るか」だけにクォータを使える。週の使い方として効率がいい。
軽いタスクはGemini単体、重いタスクだけAntigravity
ちょっとしたコードスニペット、ドキュメントの清書、エラーメッセージの解説。こういう軽量タスクは、Gemini 3 Proのブラウザ版で十分です。Antigravityのエージェントを呼び出す必要はない。
「ファイルシステムをまたいで操作させる」「ブラウザで動作確認まで自動化する」「複数ファイルを連動して書き換える」という、エージェントでないと回せないタスクにだけAntigravityを使う。これが地味に効きます。
Antigravityを選ぶべきか、Cursor / Claude Codeにすべきか
最後に、競合との比較。これが本記事で一番悩ましいところです。
コスト面の比較
| ツール | 個人向け料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| Antigravity Pro | $20/月 | エージェント自律実行、ブラウザ統合 |
| Claude Code Pro | $20/月 | ターミナル中心、Anthropicの強み |
| Cursor Pro | $20/月 | IDE統合、安定運用、定番 |
| Windsurf | プランによる | エージェント機能あり、実装軽量 |
価格は横一線。差は「どこに強みを置くか」です。
Antigravityが向いている人
ブラウザでの動作確認まで含めた完全自律実行を試したい人。Gemini 3 Proをコーディングで使いたい人。Google Workspace中心で、Googleエコシステムに乗っかりたい人。新しもの好き。
Claude Codeが向いている人
ターミナル中心の開発フローが体に馴染んでいる人。Anthropicモデル(Claude Opus / Sonnet)の出力品質を信頼している人。プロンプトとコードを行き来する細かい作業が多い人。
Cursorが向いている人
すでにVSCodeに慣れていて、IDEから離れたくない人。安定した実績と、コミュニティの厚さを重視する人。日常使いの「外しにくい選択肢」が欲しい人。
20年やってきた感覚で言うと、AIコーディングツールは1つに絞るより、役割で2つ併用するのが正解な気がしています。日常作業はCursorかClaude Code、エージェント自律実行が欲しい場面だけAntigravity、という使い分け。料金的にも個人で月$40程度なら、業務で得られる時間短縮を考えれば余裕でペイする計算。
Antigravityは未だ進化の途中で、料金体系も流動的。いま無料で触れるうちに肌感を掴んでおいて、Pro契約は3か月くらい使ってから判断するのが堅い動き方です。半年後には料金構造がまた変わっている可能性が高いので、いまの料金で「契約して縛る」より、「触りながら様子を見る」スタンスをおすすめします。
まずは無料プランをインストールして、1つだけ自律エージェントで何かを作らせてみてください。Cursorとの違いも、Claude Codeとの違いも、触れば一発で分かるはず。