「この機密情報、AIに読み込ませて本当に大丈夫…？」
Googleが提供する画期的なAIノートツール「NotebookLM」。PDFやドキュメントをアップロードするだけで、AIが内容を瞬時に理解し、要約や質疑応答、アイデア出しまでこなしてくれる、まさに「第二の脳」。
そのあまりの便利さに、研究者や学生、ビジネスパーソンまで、多くの人が夢中になっています。
しかし、その一方でこんな不安を感じていませんか？
- アップロードしたデータは、Googleにどう扱われるの？
- AIの学習に勝手に使われて、情報が外部に漏れることはない？
- 会社の機密情報や個人のプライベートな情報を読み込ませるのは危険？
そう、手放しで便利さを享受するには、「情報漏洩」という無視できないリスクが頭をよぎります。
ご安心ください。この記事では、あなたのそんな不安を解消します。
今回は、NotebookLMの情報漏洩リスクについて、Googleの公式情報やセキュリティの専門的観点から徹底的に分析。その上で、今すぐできる、安全性を最大限に高めるための具体的な5つの設定と使い方を、誰にでも分かるように解説していきます。
この記事を最後まで読めば、あなたはNotebookLMのセキュリティを正しく理解し、情報漏洩のリスクを恐れることなく、その恩恵を120%引き出せるようになるでしょう。
- そもそもNotebookLMとは？- 話題の「第二の脳」をおさらい
- 【本題】NotebookLMの情報漏洩リスクは本当に存在するのか？
- 【今すぐ実践！】NotebookLMを安全に使うための5つの鉄壁設定＆ルール
- まとめ：正しく恐れて、賢く使いこなそう
そもそもNotebookLMとは？- 話題の「第二の脳」をおさらい
本題に入る前に、NotebookLMがどのようなツールなのかを簡単におさらいしておきましょう。
NotebookLMは、Googleが開発した、あなたがアップロードした資料（ソース）に基づいて対話できるAIアシスタントです。
従来のChatGPTなどの汎用AIとは異なり、インターネット上の膨大な情報ではなく、あなたが指定した情報源だけを元に回答を生成するのが最大の特徴です。
主な機能
- ソースのアップロード: PDF、Googleドキュメント、テキストファイル、WebサイトのURLなどを読み込ませることが可能。
- 自動要約: 長文のレポートや論文も、ボタン一つで重要なポイントをまとめてくれます。
- 的確な質疑応答: ソースの内容に関する質問に、該当箇所を引用しながら正確に答えてくれます。
- アイデアの壁打ち: 資料に基づいた新しい視点や、コンテンツの構成案などをAIが提案してくれます。
研究論文の読解、大量の会議議事録の整理、専門分野の学習など、その活用シーンは無限大。まさに、あなたの思考を拡張してくれる「第二の脳」と呼ぶにふさわしいツールです。
【本題】NotebookLMの情報漏洩リスクは本当に存在するのか？
結論から申し上げます。
現時点（2025年9月）で、NotebookLMが原因で重大な情報漏洩が発生したという公式な報告はありません。しかし、利用方法を誤ればリスクはゼロではない、というのが専門的な見解です。
一体どういうことなのか？Googleの公式見解と、潜むリスクを具体的に見ていきましょう。
Googleの公式見解：あなたのデータはAIの学習に使われる？
多くの人が最も懸念しているのが、「アップロードしたデータが、GoogleのAIモデル（Geminiなど）のトレーニングに勝手に使われてしまうのではないか？」という点でしょう。
これに関して、Googleは公式に以下のように表明しています。
"Your data is not used to train new AI models without your permission." （日本語訳：あなたのデータは、あなたの許可なく新しいAIモデルのトレーニングに使用されることはありません。）
これは非常に重要なポイントです。つまり、あなたがNotebookLMにアップロードしたドキュメントや、AIとの対話内容が、Googleの汎用AIモデルの学習に利用されることはないと明言しています。
これは、OpenAI社のChatGPT（無料版）が、入力されたデータをモデルの学習に利用する可能性がある点とは一線を画しています。
じゃあ、完全に安心？というと、少し待ってください。
Googleはサービスの改善や維持のために、一部のデータを収集・利用する可能性があることをプライバシーポリシーで示唆しています。これは、どのクラウドサービスにも共通して言えることです。
考えられる4つの具体的な情報漏洩リスク
では、具体的にどのようなリスクが潜んでいるのでしょうか？主に以下の4つの可能性が考えられます。
Google側のセキュリティ侵害（サイバー攻撃） Googleは世界最高峰のセキュリティ体制を敷いていますが、100%安全とは言い切れません。万が一、Googleのサーバーが大規模なサイバー攻撃を受ければ、そこに保存されているデータが漏洩する可能性は理論上存在します。
あなた自身のGoogleアカウントの乗っ取り 最も現実的で危険なのがこのケースです。フィッシング詐欺やパスワードの使い回しなどが原因であなたのGoogleアカウントが第三者に乗っ取られた場合、NotebookLMに保存されている情報にもアクセスされてしまいます。これはNotebookLMに限らず、GmailやGoogleドライブなど、すべてのGoogleサービスに共通するリスクです。
ヒューマンエラーによる情報漏洩 「この資料、機密情報が含まれていたのに、うっかりアップロードしてしまった…」 「同僚に見せるつもりが、誤って無関係な第三者に共有リンクを送ってしまった…」 （※注: 2025年9月現在、NotebookLMの共有機能は限定的ですが、将来的に拡張される可能性があります） ツール自体の問題ではなく、利用者自身の不注意が原因で情報が漏洩するケースです。
内部関係者による不正アクセス 可能性は極めて低いですが、Googleの従業員が権限を悪用してデータにアクセスする、というリスクもゼロではありません。Googleは厳しいアクセスコントロールを敷いていますが、これも念頭に置くべきリスクの一つです。
これらのリスクを理解すると、「NotebookLMが危険」なのではなく、「クラウドサービスを利用する上での普遍的なリスク」が存在することがお分かりいただけると思います。
大切なのは、これらのリスクを正しく理解し、対策を講じることです。
【今すぐ実践！】NotebookLMを安全に使うための5つの鉄壁設定＆ルール
お待たせしました。ここからは、NotebookLMの情報漏洩リスクを限りなくゼロに近づけ、安全に使いこなすための具体的な方法を5つご紹介します。どれも今日から実践できる簡単なものばかりです。
対策1：【最重要】機密情報・個人情報をアップロードしない
これが最もシンプルかつ、最も効果的な対策です。「漏れたら困る情報」は、そもそもアップロードしないという大原則を徹底しましょう。
絶対にアップロードしてはいけない情報の例
- 個人情報: 氏名、住所、電話番号、マイナンバー、クレジットカード情報、病歴など
- 会社の機密情報: 未公開の財務情報、顧客リスト、技術情報、M&Aに関する情報、人事情報など
- パスワードや認証情報: あらゆるサービスのIDとパスワードのリスト
「このくらいなら大丈夫だろう」という安易な判断が、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。NotebookLMはあくまで思考を補助するツールと割り切り、機密性の高い情報はオフラインで管理することを徹底してください。
対策2：Googleアカウントのセキュリティを「要塞化」する
前述の通り、最も現実的なリスクはあなたのアカウントの乗っ取りです。裏を返せば、あなたのアカウントさえ守り切れば、安全性は飛躍的に高まります。
今すぐ以下の2つの設定を見直してください。
① 2段階認証プロセスを必ず有効にする
これは必須中の必須設定です。パスワードが万が一漏洩しても、スマートフォンなどに送られる確認コードがなければログインできなくなり、不正アクセスをほぼ完璧に防ぐことができます。
設定方法: 1. Googleアカウントの管理画面にアクセス 2. 「セキュリティ」タブを選択 3. 「Googleへのログイン」セクションにある「2段階認証プロセス」をオンにする
② 強力でユニークなパスワードを設定する
- 使い回しは絶対にNG: 他のサービスと同じパスワードは使わない。
- 長く複雑にする: 12文字以上で、大文字・小文字・数字・記号を組み合わせる。
- 推測されにくいものに: 名前や誕生日など、個人情報に関連するものは避ける。
パスワード管理ツール（Googleパスワードマネージャーなど）を活用するのも非常に有効です。
対策3：定期的なデータの棚卸し（クリーンアップ）
プロジェクトが終わった、調査が完了したなど、不要になったノートブックやソースは、定期的に削除する習慣をつけましょう。
データを溜め込み続けると、それだけリスクの対象が増えることになります。また、万が一アカウントが乗っ取られた際の被害を最小限に食い止めることにも繋がります。
月に一度、「NotebookLMの掃除の日」を決めて、不要なデータを整理することをおすすめします。
対策4：共有機能は慎重に利用する
現時点ではNotebookLMの共有機能は限定的ですが、今後Googleドキュメントのように、リンクを知っている人なら誰でも閲覧できるような機能が実装される可能性があります。
その際は、共有範囲を「特定のユーザーのみ」に限定し、安易に「全員に公開」しないように細心の注意を払いましょう。メールやチャットで共有リンクを送る際も、宛先を複数回確認する癖をつけることが重要です。
対策5：利用規約とプライバシーポリシーに目を通す
面倒に感じるかもしれませんが、一度はGoogleの利用規約とプライバシーポリシーに目を通しておくことを強く推奨します。
Googleがどのようにあなたのデータを扱うのか、どのような権利をあなたが持っているのかを正確に理解することは、サービスを安心して利用するための基礎となります。特に更新があった際は、変更点を確認するようにしましょう。
まとめ：正しく恐れて、賢く使いこなそう
今回は、GoogleのAIツール「NotebookLM」の情報漏洩リスクと、その対策について徹底的に解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- NotebookLMが勝手にあなたのデータをAIの学習に使うことはない。
- リスクはツール自体よりも、アカウントの乗っ取りやヒューマンエラーにある。
- 対策の基本は「機密情報を上げない」ことと「アカウントのセキュリティ強化」。
NotebookLMは、私たちの知的好奇心と生産性を劇的に向上させてくれる、まさに革命的なツールです。情報漏洩のリスクを過度に恐れて利用をためらうのは、非常にもったいないことです。
今回ご紹介した5つの対策をしっかりと実践すれば、あなたはセキュリティのリスクを最小限に抑え、安全な環境でNotebookLMの能力を最大限に引き出すことができます。
リスクを正しく理解し、賢く対策する。
それこそが、これからのAI時代を生き抜く私たちに求められるリテラシーなのかもしれません。さあ、今日からあなたも安心して「第二の脳」との対話を始めてみませんか？
